遺産相続トラブル 我が家は関係ないと思ってる?

Category: 相続 | Posted: Last Update:


相続なんて、ウチは関係ないと思っていませんか?相続で揉めるのは、実は相続財産が少ない家だったりもします。簡単に言うと、相続財産が「不動産のみ」で「預貯金が少ない」家庭です。僕が良く知っている一例を記します。

意外と揉める相続の話

ある、母子家庭の家庭がありました。
その家庭は、お母さん・息子・娘・おじいさん・おばあさん、という家族構成でした。
このお母さんは離婚後、実家に戻り、寝たきりのおじいさんの介護をしながら、おばあさんを扶養し、子供二人を一生懸命育てました。おじいさんは、彼女が12年介護をした末、亡くなりました。

1次相続

この時の相続「1次相続」は特に問題ありませんでした。

息子は母に少しでも楽をさせようと、大学進学を諦めサラリーマンになり、娘は一生懸命勉強して、特待生として介護福祉の専門学校へ進学しました。
子供が手を離れたものの、一人になったおばあさんのお世話をしながら、このお母さんは一生懸命生計を立てていました。

そして、おばあさんも亡くなる日がきました。

2次相続

「2次相続」の発生です。

そのお母さんが、おばあさんの面倒を見て暮らしていた家の資産価値は1000万円でした。
相続財産が1000万円程度なら、相続税はかからないので問題は無いかと思いきや・・・

そのお母さんは、5人兄妹なのです。彼女は思い出もある住み慣れた家に、その後住み続けることにしました。彼女がおばあさんを面倒見てきたので、兄妹も納得していました。
しかし、おばあさんの住んでいた家は兄妹みんなのものです。

遺言書はありませんでした。兄妹で揉めたくはありませんが、1000万円の5分の1の財産を受け取る権利があります。
彼女にすべて譲ると口で言っても、心の中では引っかかるものです。

そういう、気持ち悪い状態を以後引きずるのが辛かった彼女は、どうにかお金を借りて、「代償分割」をしました。
1000万÷5=200万  兄妹4人に200万円づつ・・・800万。

もちろん、母子家庭で貯蓄もありません。彼女は、子供の手は離れましたが、また借金を返す為に必死に働く事になりました。

 

いかがですか?
1000万円の家と言っても、築が50年以上でリフォームも必要な家です。
ほぼ、土地の価格です。

相続を考えておきましょう

何が問題だったのでしょう。

これは、相続はどうにかなる。資産も家くらいしか無いし・・・と思っていた事が問題です。正しい知識を持った人が、アドバイスをしに現れなかったのが問題です。

国や市町村は、ご丁寧に「この位用意しておかないと、もめますよ〜」とは教えてくれません。自分で問題に気づいて、行動を起こさないと行けないのです。

もし、お世話になった娘に、保険金を800万円だけでも用意しておいてあげたなら、この彼女に大きな負担を掛ける事は無かったでしょう。

相続を考える時は、ものすごく難しい事だと思って敬遠しがちですが、先ずは、家系図を描くところから始めましょう!

 

  1. 誰が相続人になるのかを把握する。(家系図)
  2. 自分の総資産の額を知る (家系図が出来たら、相続診断士に相談。優秀な税理士・弁護士等を紹介してもらいます)
  3. 遺言を書いてみる。(自分の想いを紙に綴ってみましょう・新しい発見がきっとあります)

 

終活セミナーなどが近年盛んに行われています。
自分の人生を振り返り、家族を想い、どう悔いなく生きて行くか考える。
なかなか、一人では考えるのが難しいと思うので、プロに相談してみるといいでしょう!

あ、その息子さんは、現在、相続診断士という資格を持って、相続が笑顔で出来る家庭を増やすために活動しているそうです。

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