ペットボトルキャップ回収の闇

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エコキャップ運動:「ペットボトルのキャップを回収して売却することによって出る利益で開発途上国の恵まれない子供のためにワクチンを寄付しよう」という活動を【認定NPO法人 世界のこともにワクチンを 日本委員会】という団体が推進しています。https://www.jcv-jp.org/donation/pbcap

真実をお届けするファイナンシャルプランナーの廣野です。

環境保護・エコ運動・素晴らしい活動ですね!

私が、15年間務めてきた全国チェーンのファーストフード店やテナントとして入っていた母体(大手ショッピングセンター)でも、ゴミの分別を推進していて、ゴミ箱には、もえるゴミ・プラスチックゴミと書いたフタがついていました。

私は、お子様のお客様がしっかり、ドリンクのフタを取って、中身を捨てて、カップをもえるごみの方に、フタとストローをプラスチックゴミの方に捨ててくれるのを手伝いながら、「偉いね〜」といつも褒めていました。

お客様とのコミニケーションの時間はとても大切ですが、現実には、「そんなもの」分けている時間はありません。

1日2000人以上のお客様が、店内の2〜3箇所のゴミ箱にゴミを捨てるのです。毎日20袋以上のゴミが出ます。それを分別しているか??ってのは、飲食店で働いた事がある人なら全員知っているはずです。

一生懸命分別してくれた小さな子には申し訳ないですが、もえるごみとプラスチックゴミは一緒にしてもえるごみとして廃棄されます。

私は、店長時代、あの表記(もえる・プラ)はずっと反対でした。だって、どうせ分別しないのに、お客様の手を煩わせるからです。

店長としてのモラルが問われますか? それは違います。

むしろ、行政も「そんなもん」リサイクルしません。

なぜか?

答えは簡単です。リサイクルする方がコストがかかるからです。

だいたいどこの飲食店も「人件費」は大きな課題です。

人員は売上を上げる事ができるポジションに配置し、必要最低限の人員で回します。生産性のないことをする時間は必要最小限にする必要があります。

売上を伸ばし、経費をコントロールすることで、飲食店は利益を出し、存在する事が出来るのです。赤字になってしまったら、事業は継続できません。

ではここから、ペットボトルキャップ回収の闇に切り込んで参ります。

ペットボトルのキャップを子供達が一生懸命集めているので、ちょっと調べてみました。

エコキャップ運動:「ペットボトルのキャップを回収して売却することによって出る利益で開発途上国の恵まれない子供のためにワクチンを寄付しよう」という活動を【認定NPO法人 世界のこともにワクチンを 日本委員会】という団体が推進しています。https://www.jcv-jp.org/donation/pbcap

そして、その協力団体として、70以上の団体が傘下にいます。https://www.jcv-jp.org/donation/recycle_list.html

これは、もしや、「NPOビジネスか?」とピーンときたのはとりあえず置いておいて・・・・事実を明らかにします。

キャップの素材と単価

まず、回収しているペットボトルのキャップの素材は「ポリエチレン」と「ポリプロピレン」と一種類ではないので、選別をしないと、リサイクルする事が出来ません。よって市場価値はかなり安くなります。【1KG(400個)あたり15円】

リサイクル業者に売却する前に、キャップについている懸賞シールだとか、汚れを取る必要があります。そして、洗浄し脱水乾燥する工程でも、人件費や水光熱費・工場維持費用がかかります。

通常のポリエチレンやポリプロピレンの価格は1KG、222円-262円です。

リサイクル業者は15円で仕入れたペットボトルキャップを資源としていくらで販売するのでしょうか?  これについては調査しきれませんでした。

回収したキャップの輸送費問題

エコキャップ推進協会が提供するキャップを再生業者に発送できる「エコキャップ配送サービス(佐川急便)」というものがあります。http://ecocap.or.jp/kaisyu/haisoservice/

専用袋+配送料金セットで10枚、7800円(税込)

専用袋に入るキャップの数は約6キロ(2400個)  業者買取価格 90円

多くの人の努力で集められた、大量のペットボトルのキャップは、780円かけてリサイクル業者に送られ、90円の収入になるということですね・・・・

寄付金の約9倍もの金額を佐川急便と協会に払う必要があるということですね・・

1億個(250t)のキャップを集めるのに、は41667枚の専用袋が必要です。

袋1枚(送料込)780円ですから、約3250万円のコストを掛けて、375万円の寄付になります・・・・

協会運営費

更に、忘れてはいけないのが、エコキャップ推進協会の運営費。

寄付金の大部分は、人件費や家賃に回されていますので、寄付される金額は、非常に少額になります。

NPO法人は事業報告書が公開されるので、実際に見てみると一目瞭然ですhttps://www.npo-homepage.go.jp/npoportal/detail/105001372

まとめ

地球温暖化対策のため、CO2を減らすためリサイクルをすると言うが、リサイクルするために、トラックで運んだり、温水で洗ったり、ボイラーで乾かしたり、トラックの燃料を消費し大きな電力を消費し、ガスを消費する。CO2を減らすために、より多いCO2を排出している現状。

ワクチンを寄付すると言っているが、寄付する金額の9倍も負担させられる現状

このようなNPO団体には、政府から「補助金」が支払われている現状。補助金を直接寄付した方が沢山寄付できる・・・

NPOビジネスのグレーゾーン

NPO(Nonprofit Organization)非営利団体、素晴らしい活動をしている団体は沢山ありますが、その特性を利用したビジネスが存在することは明白です。

例えば、非営利団体の役員が、委託会社の社員も兼業するパターン。

非営利団体ゆえに、多額の役員報酬を計上することはできません。

しかし、業務委託会社の支払い報酬なのは公開されませんので、そちらから報酬を支払えば、実際の所得はわかりません。

世の中で当たり前のように行われていること、少し興味を持つだけで、世界の見え方は変わります。

相続対策・不動産・金融商品・保険、それが当たり前、「みんながそう言ってる事」が、間違いであることは沢山あります。自己責任の世の中、いろいろなことをしっかりと見極める必要があります。

誰に相談したらいいかわからない問題が発生したら、誰に相談するべきか、相談に乗ります。お困りごとは、弊社HP、お問い合わせフォームよりhttps://clear-advance.jp/contact

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