西側諸国メディアはプーチン大統領が狂ったと言っているが、プーチン大統領が批判するネオナチとは？

プーチン大統領は安全保障会議でウクライナではネオナチが民間人を「人間の盾」にしていると非難しました。西側諸国や日本のメディアではプーチン大統領が狂ったとまで報道されますが、実際のところどうなのでしょうか？

ネオナチとは？

ネオ(neo)とは他の外来語に付けて「新しい」の意を添える語、ナチ（nazi)とはナチズムのことなので、併せて新しいナチズムのことです。

ナチズムとは、ナチスのイデオロギー（観念形態、思想形態）のことで、ここで言うネオナチとはナチスのイデオロギーを持った者達を指します。

果してそんな人達は存在するのでしょうか？

アゾフ連隊

プーチン大統領の言うネオナチは妄言ではなく実際に存在しています。

アゾフ連隊とは、黒海北部のアゾフ海沿岸地域のマリウポリを拠点とするウクライナ国家親衛隊の東部作戦地域司令部第12特務旅団所属のアゾフ特殊作戦分遣隊の通称です。

写真をご覧いただくと、NATOの旗・アゾフ連隊の旗・ハーケンクロイツ（ナチスマーク）の旗を掲げているのが分かります。

アゾフ連隊のエンブレム

左がアゾフ連隊のエンブレム、中央がナチスの武装親衛隊SS第2装甲師団 ダス・ライヒの記章、右はネオナチのシンボルブラックサン、共通点がありすぎます。

そんなナチズムの香りがするアゾフ連隊ですが、設立は2014年、ウクライナ騒乱の際に特別パトロール警察大隊（民間警察でボランティア組織）として誕生したのですが、構成員は正式な警察官の身分を有し、法執行機関の一員です。ちょっと、日本人の感覚からすると全くわからない仕組みですが、一般人がボランティアで集められ、警察と同じような権限を持ち、問題を武力で制圧しているのです。

現在は、ウクライナ国軍組織であるウクライナ国家警備隊（親衛隊）に統合されていて、作戦行動と訓練は東部作戦地域司令部12特務旅団長の指揮の元にあります。連隊の兵士は政府から給料や戦闘用車両と戦車などの装備が支給されていて内務大臣の指令の元、ウクライナ陸軍と共に多くの分離独立派との戦闘に参加しています。

やりたい放題のアゾフ大隊

２０１４〜２０１５にアゾフ大隊は大量略奪、違法な拘禁、拷問などの戦争犯罪を行なっているとされ、アメリカやカナダはアゾフ大隊への武器の供与をやめています。（本当にやめているかは分かりませんが・・）

現代の日本人には想像できない無法地帯の人間の非道

警察が取り締まることができなくて、犯罪を犯しても罰を受けない世界を想像してみてください。

貧しく、法律が機能していない国がどんなものかを。

良い身なりをしているのに、酔っ払って道端で寝たり、電車で寝たりできて、自動販売機が壊されない国では多くの人が平和ボケしていますが、ウクライナの様に産業も資源もなく、頻繁に暴動が起きたりする国で、ボランティアに警察の権限を与え、武器を与えたらどうなるのか。

自分を律して愛国心を持ち母国を守っている人もきっといるので、一概に非難することなどできませんが、貧しい国では手段を選ばない人間は大勢いるのです。

極限状態で手段を選べる人間の方が少ないのではないでしょうか？

圧倒的国力差での戦い方

私がもしアゾフ連隊の一員で、圧倒的戦力差があるロシアを迎え撃とうとする場合、このような戦略を提案をすると思います。

まず、アジトは相手が攻撃できない病院や学校にすること。

そして、手頃な病院や学校を破壊してロシアに攻撃されたと世界に訴えます。そうすれば、豊かな国からの資金援助や武器の供与が受けれるかもしれないからです。

世界に訴えるにはいかにロシアが残虐かアピールするために役者を使って被害者の凄惨もアピールするでしょう。

卑怯と言われようが、これが家族や同胞の命を守る最善の策だと思います。

過去ブログ：クライシスアクターの存在（ウクライナ編）