金融派生商品(CDS)とは

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真実をお届けするファイナンシャルプランナーの廣野です。 米国債の逆イールドが発生して、リーマンショックのような金融危機が起きるかもしれないと前回のブログでお伝えしました。 それは、どのようなものがキッカケになるのかをお伝えするために、今回は金融派生商品CDS(クレジットデフォルトスワップ)についてご説明します。

真実をお届けするファイナンシャルプランナーの廣野です。

現在、米国債の逆イールドが発生していて、リーマンショックのような金融危機が起きるかもしれないと前回のブログでお伝えしました。

それは、どのようなものがキッカケになるのかをお伝えするために、今回は金融派生商品CDS(クレジットデフォルトスワップ)についてご説明します。

どんなものか分かるように、国債の仕組からご説明します。

以下の図をご覧ください。

政府がお金を工面したい場合、通常、打出の小槌があるわけでなく、まず金融機関からお金を借ります。この時に「借用証書」になる「国債を発行」します。

金融機関は、借用証書と引き替えにお金を政府に融資します。

政府は、その後毎年、利息を払い、満期が来たら、元本をまとめて返済(償還)します。なので、銀行にとっては利息分が利益になります。

しかし、政府が利息の支払いや、元本の返済が出来なくなった場合、その金額の大きさから、金融機関の経営が傾き破綻しかねません。

そこに、別の金融機関が現れて、「じゃあ、万が一のために保険に入りましょう」と、提供する金融商品が『CDS』です。

以下の図のような感じです。

国家が破綻することは、あまりないですが、万が一破綻(デフォルト)してしまうと、金融機関はひとたまりもありません。金融機関は企業と密に関わっていますので、金融機関でお金の運用をしていた企業もひとたまりもありません。

このように、破綻が破綻を呼ぶ連鎖倒産を防ぐために、CDSはとても素晴らしい金融商品であると言えます。

CDSの保険料(プレミアム)は、その対象の国や、企業の危険度によって変わります。(なので、投資家の間では、その企業や国家をみる指針にする人も多い)

ここまで、ご説明したものであれば、健全なのですが・・・

CDSの暴走

対象(国や企業)が破綻しなければ、金融機関は丸儲けなので、このCDSを作りまくって、売りまくりました。

第3者も企業や国の破綻を、予測してCDSが持てるのです。

〇〇が破綻する方にかける博打のようなものです。

世の中、インサイダー取引というものは、違法ですが、行っている人はいないのでしょうか?

ものすごい資本力を持った者が悪意を持って、何かを仕掛けるということはないでしょうか?

CDSは、保険に喩えられると前述しました。被保険者(国、企業)、契約者、(金融機関・企業・投資家)受取人(金融機関・企業・投資家)です。

「被保険者」に万が一が起きた時のために、「契約者」が保険料(プレミアム)を支払って万が一に備える。「被保険者」に万が一のことが起きたら、「契約者が受取人」となって、保険金(プロテクション)を受け取る。

この契約者の権利(CDS)は、市場で売買されています。

生命保険(個人契約)は契約者を親族以外の者に移転することはできません。見ず知らずの誰かに、多額の保険金をかけることは、不自然だからです。

自分さえ良ければいい奴が居る

「保険金殺人」「不法取得目的・保険金詐欺(当たり屋など)」「自殺(自殺に見せかけた他殺含む)」など、保険会社の目を騙して、不正に保険金を得ようとする輩は沢山います。

生命保険の保険金はせいぜい5億程、しかしCDSは??

CDSをそのように利用しようという輩はいないのでしょうか?

そのような輩は、うまく仕掛けてきます。食事をすこしづつ塩辛くしたり、糖分を大量に与えたり、お酒を大量に飲ませたり、事故に見せかけたり・・・・

こんな輩が、仕掛けてくると、プロテクションを提供している保険会社はひとたまりもありません。(過去のAIGのように)

プロテクション会社が吹き飛んでしまうと、CDSを頼りにして、大きな融資を受け事業をしている国家・企業は、はしごを外されるわけです。

まともなCDSすら機能しなくなれば、グローバルな世の中ですから、ドミノ倒しのように破綻が連鎖し、世界は混乱に陥るかもしれません。



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