遺産分割の種類 やっぱり遺言は大切だ!
Category: 相続 | Posted: Last Update:
遺言や協議によるもの、また調停・審判による遺産分割の種類と方法について。遺言がきちんとされていないと、とても大変そう・・・遺言はやっぱり大切です。
遺産分割の実行と方法
(1)遺言による遺産分割
被相続人の遺言で遺産分割の方法が指定されている場合は、その指定に従って遺産分割する。
(2)共同相続人の協議による遺産分割
遺言がなければ、各相続人は協議により遺産分割を行う。共同相続人全員の協議により共同相続人の自由な意志に基づいて分割を決定した場合は、法定相続分に従わなくても有効です。遺産分割について合意がなされたら、「遺産分割協議書」を作成します。
(3)家庭裁判所の調停・審判による遺産分割
共同相続人の協議による遺産分割が調わない場合は、共同相続人の申し立てに基づいて、家庭裁判所の調停、さらには審判で遺産分割を行うことになります。
遺産分割の方法
(1)現物分割
遺産を現物のまま分割する、分割の原則的方法
(2)代償分割
共同相続人の一人または数人が相続により財産の現物を取得し、その現物を取得した者が他の共同相続人に対し債務を負担する分割の方法
(3)換価分割
共同相続人の一人または数人が、相続により取得した財産の全部または一部を金銭に換価し、その換価代金を分割する方法。
遺産分割の期限!
相続税の申告・納税は被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内に行うルールです。
相続財産が分割されていない場合でも、この期限は延長されません。
相続財産の分割が終わっていない場合は、法定相続分に従って財産をもらったものとして、相続税額を計算し、申告納税をします。
この場合、かなり・・いや、とてつもないデメリットが発生します。
「配偶者の税額軽減の特例」が受けられない。
「配偶者の税額軽減の特例」とは死亡した人の配偶者が遺産分割や遺贈により、取得した正味の遺産が「課税価格の合計額×配偶者の法定相続分」か、「1億6000万円」のどちらか多い金額まで、配偶者に相続税はかからないという特例。
「小規模宅地の評価減の特例」が受けられない。
「小規模宅地の評価減の特例」とは、一定の要件を満たした場合、相続人などが取得した特定居住用宅地(自宅)等のうち、240㎡までについて、80%の評価減を行う特例です。
「延納」「物納」の適用が認められない。
相続税も、他の税金と同様に一括納付が原則ですが、所定の要件を満たしている場合、「延納」や「物納」という納付方法があります。
『延納』
相続税額が10万円を超えていて、金銭で納付する事が困難な場合、担保を提供する事により、年賦で納付出来ます(延納期間中は“利子税”の納付が必要)
“利子税”
所得税・法人税・相続税・贈与税について、延納または、納税申告書の提出期限の延長が行われた場合、法定納期限から、これら延長された期限迄の日数に応じ、年7.3%の割合で、本税に合わせて納めなければならない付帯税
「物納」
国税は金銭で納付する事が原則ですが、「延納」によっても金銭で納付する事が困難とされる場合には、納税者の申告により、納付を困難とする金額を限度として、”一定の相続財産”による、物納が認められています。
“物納できる相続財産”
物納申請財産は、相続税の課税価格計算の基礎になった相続財産のうち、次に上げる順位で日本国内にあるものです。
- 第一順位 国債・地方債・不動産・船舶
- 第二順位 社債
- 第三順位 動産
※遺産分割が10ヶ月以内にできなくて、問答無用で法定相続分で割ったものとして課税された申告期限から3年以内正式に分割がされたとき、上記の特例を受ける事が出来ます。
(修正申告)
初めにした申告より実際の分割した税額が多い場合
(更正の請求)
初めにした申告より実際の分割した税額が少ない場合
をしますが、正式な分割があった事を知った日の翌日から4ヶ月以内に手続きをするルールです。
まとめ
遺言がきちんとされていないと、とても大変そうですね・・ご子息の仕事が忙しい時にこの手続きを行うのもとても大変。
親族で、仲違いをしている場合や親戚に財産の分け前をどうにか得ようとしている人がいたら、まず、修羅場になる事は間違いないでしょう・・・・
遺言って、やはりとても大切ですよね!
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