銀行とチンピラ債権回収会社
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前回、期限の利益を喪失した債務者に対し、銀行は貸付残高の一括返済を求めてくると言うことを書きました。 困窮した債務者は一括返済など、できるはずもありませんから、債券は焦げ付きます。 焦げ付きとは銀行の業界用語で、不良債権 […]
前回、期限の利益を喪失した債務者に対し、銀行は貸付残高の一括返済を求めてくると言うことを書きました。
困窮した債務者は一括返済など、できるはずもありませんから、債券は焦げ付きます。
焦げ付きとは銀行の業界用語で、不良債権化してしまうと言うことです。
そんな場合、銀行と債権回収会社(サービサー)で行われていることを解説します。
銀行と、債権回収会社(サービサー)のやり口
分かりやすく、借金の残債が1億円の債券(借用証書)があるとします。
銀行は、この債券を銀行の子会社である債権回収会社に売却します。
回収できる見込みの少ないゴミ債券ですから、ただ同然です。ここでは1000円と仮定します。
銀行が「1億円」の価値のある「債券」を「1000円」で債権回収会社に売却すると言うことは、銀行に9999万9000円の損失が出ることになります。
銀行は、その損失を損金として計上して、黒字と相殺します。
バブル崩壊後、大損失を負った銀行はその損失を10年間繰り越すことで、法人税を全く払わなくて済んでいた期間があります。銀行は債券を売却して、損金計上をしているのです。
投資は自己責任ですから、銀行が損失を被ると言うのはまあ、当然です。
チンピラ子会社、債権回収会社(サービサー)
サービサーは親会社である銀行から、破格の「1000円」で「1億円」の債券を買い取ります。
言い換えると、仕入れ値「1000円」で「1億円」請求できる権利を手に入れているということです。
サービサーは、何くわぬ顔で、債務者に対して、「1億円」の返済を迫ってきます。
困窮している債務者は当たり前のように返済が滞ります。
そうすると、遅延損害金(債務不履行(履行遅延)による損害賠償金)をつけて、しつこく請求をしてきます。
債務者からすると、銀行から借金をしたはずなのに、取り立て会社から請求がきて、しかもどんどん損害金が増えて怖い。という状態です。
債権回収会社の請求はエスカレートして行きます。「最初は法的手段に移らざるをえない」との脅し文句。
その次に「いついつに法的手段に移ります」と言う脅しが続き、実際に裁判所から通知が届くようになります。
裁判は、出向いても必ず負けますし、行かなくても(欠席裁判)負けます。
そして、裁判所から支払督促が届きます。その後、財産開示手続きに入って、場合によっては強制執行になる場合があります。
ちょっと待て
銀行が損金計上した段階で、銀行と債権者間の債務は帳消しになっているはずです。
なぜ、サービサーはそのような詐欺のようなことが許されているのでしょうか?
ワタシは、この制度事態を全く納得できません。
サービサーは1000円しか払っていませんから、毎回の催告書、督促書と言う脅迫状の手間暇や送料はなんとも思いません。裁判の手続きや内容証明郵便のクソ高い郵送料もサービサーからしたら安いものです。
そして、そして債務者には話し合いで解決しましょうと迫ります。
話し合いになると、請求額を一気におまけしてくれることがあります。例えば5000万円でも払ってください。と
どうにか返済した場合
もう、心身ともに疲れ果てた債務者は、親戚や友人のところを土下座して回って、5000万円をどうにか返済したとします。
そうすると、サービサーが約4999万円の利益を得て、債務者は親族や友人に5000万円の借金ができるのです。
債務者の地獄は続きます。
サービサーの倫理観
サービサーは仕事とはいえ、どんな倫理観を持っているのでしょうか?
この追い込みによって、多くの方が自殺に追い込まれて行きます。
どうすることもできない債務者にとって、何度も何度も送られてくる脅迫状は、毎回ナイフで刺されているのと変わらない心的外傷を負わせます。言い換えれば、見えない暴力です。
そして、債券の取得価格を無視して、サービサーの味方に付く裁判所の裁判官もどういうつもりなのでしょうか?
法律のことに詳しい、金融機関と裁判官がグルになって債務者を虐めているような構図にしか見えません。
実はしっかりしている債務者保護
裁判官が、サービサーとグルになっているように見えますが、裁判官は悪代官ではありません。
債務者が法律によりかなり保護されているのがわかっているので淡々と職務を遂行しているのです。
しかし、当の多くの債務者は自分が法律によって保護されていることを知りません。
このことは、大変な問題だと思います。
次回は、債務者がいかに法律によって保護されているかを解説します。
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