良い人材を採用する方法6

Category: Blog, 人材育成, 自己啓発 | Posted: Last Update:


組織で起こることの全ての原因・責任は組織長にあります。 組織長の方針に対立するスタッフを放置したり、人員不足だからと言って妥協すると、全て組織長に跳ね返ってきます。組織長は、優れた事例を研究し常に高い意識を持ち、日々迫られる選択と決断は全て自己責任であることを肝に銘じる必要があります。

前回は、降格・左遷から約1年、店長に返り咲くところまでを記しました。

店長として再スタートを切った廣野25歳〜26歳の物語を綴ります。

配属された店舗は、それまで同じ地区の店長が兼任されていて、店舗の実質支配権アルバイトの責任者にありました。

人員も充足しておらず、アルバイトの責任者に頼らざるを得ない状況で、廣野はアルバイトの責任者の顔色を伺いながら仕事をすることになります。

アルバイトの責任者は準社員的立ち位置だったので、以降、「準社員」と呼びます。

準社員は、それまでほぼ店長業務をしていました。自分がトップに君臨していた所に廣野が配属され、廣野の部下になったのです。

今までは、準社員の城だった店舗をワタシは自分の頭にある理想の店舗に近づけようと邁進します。どのように改善するか一緒に考えながら取り組みましたが、どうやら変化を受け入れるのがめんどくさい様です。

最初は目立った対立はありませんでしたが、徐々に準社員と意見の対立が顕著になってきました。

これはワタシの指導力が足りなかったことが原因かもしれませんが、準社員は自分がいなければ店舗が回らない事を良いことに、自分の要望を全て通そうとしてきました。

一方で新入社員の研修生が期間限定で割当られ、社員2名体制になりました。高卒の新卒社員でしたが、とても頑張って仕事をしてくれる部下で、厳しく指導することもありましたが、基本的には褒めて伸ばしました。

次に地区のトップの店長の元で研修を終えた社員が、先にいた研修生と一時的に重なる様に配属されました。

この新人社員はまだ18歳多感な時期です。しかし、ワタシは、前の部下と比較をして評価をしました。

そのことで、とっても嫌われました

そりゃワタシも、トップの店長と比較されちゃいます・・・

25歳、廣野の学び

他人と比較して評価することは感覚的で簡単です。しかし、人それぞれ長所と短所があり、目に付きやすい悪い所だけ評価して、目に付きにくい隠れた努力を見落としていると、部下の気持ちは離れていくことを学びました。

その後、準社員が退職することになりますが、これを機に大変な人員不足に陥って行きます。

人員不足。残ったスタッフの努力

準社員がいなくなり、社員の負担は激増しました。

とても大変な時期が続きました。

ワタシのことが大嫌いな18歳の部下は、コミニケーション能力に長けていて、アルバイトととても上手く接していて、いつもアルバイトの相談役になってくれていました。

ワタシと部下の関係はギクシャクしていましたが、この頃、会社にコンサル会社が入り評価の基準をはっきりと打ち出してくれたので、共通の目標ができました。

明確になった評価基準

今までは、なんとなく売上上司ウケなどで評価されてきた体制から、明確な達成目標が提示されました。 さすがコンサル会社!!

2つの評価基準

店舗が当たり前に取り組むべき50項目の内どれだけをクリアできているかの基準

オペレーション(作業のチームワーク)を評価する基準

これが明確になった為、他の店舗と競えるようになりました。

売上で競うと、外的要因の影響が大きく不公平になります。

いくら、お店がぐちゃぐちゃでお客様にマイナスイメージを与えていても、売上さえ立てば評価される仕組みから、お店の管理能力を競う仕組みへの進化です。

明確となった目標を達成するため、ワタシと18歳の部下は、同じ方向を向いて共闘を初めました。

18歳の部下が力を貸してくれるようになったのは、ワタシがそのコミニケーション能力を認めて、頼りにした所からだと思います。

お互い、何がなんでも会社から評価を勝ち取るぞ!というモチベーションで、かなり無茶しました。完全にブラック組織夜通しでお店の掃除をしたりもしました。もちろん、ワタシも部下もサービス残業。手伝ってくれたアルバイトには時給を付けましたが、アルバイトもシフト外でお店に来て仕事を手伝ってくれるようになりました。

18歳の部下のコミニケーション力(組織の調整力)を借りて、スタッフ全員が同じ方向を向いて進み出したのです。

もう準社員の抵抗はありません。

活力を取り戻した店舗は、それまで採用できなかった素敵なスタッフが採用できるようになり、ギリギリのメンバーで回していた店舗に余裕が出来てきました。

26歳、廣野の学び

どんなに人がいなくても、上司のネガティブキャンペーンをする様なスタッフはいない方が上手く行きます。新人の時の初期教育がとても大切で、そこで、高い基準を理解してもらえば、それが当たり前に育つことを学ぶ

明確な基準があって評価するのと、なんとなく評価することは天と地の差があることを学ぶ

最高ランク評価W獲得とクリスマス商戦

廣野はスタッフの接客力向上にはお客様と沢山会話をさせることだと考え、9月から、クリスマスのチキンやケーキの予約販売を開始しました。

クリスマス商戦の準備を7月後半から始めているのは全国でもワタシくらいではないでしょうか?

レジのスタッフは商品が出来てくるまでの気まずい時間にお客様にクリスマスチキンの予約の紹介をします。

お客様、ちょっと早いのですが・・クリスマスの・・・・

お客様はさすがに笑います。「いや、早すぎでしょ

これを、お客様全員にやります。話を聞いてくれそうな人とか選びません

だって、ただの広告ですし、無理やり買わそうとも思っていないですし、そもそもが、ワタシが仕組んだアルバイトのコミニケーション能力向上作戦ですから。

でも、健気に全てのお客様にクリスマスの予約の紹介を続けるスタッフ達。

お客様の中には、そんなスタッフを応援してくれる方が現れ出します。

9月上旬にクリスマスチキンの予約が取れるのです。

まさか、予約が取れると思っていないスタッフは成功体験を得ます

すかさず、ワタシはスタッフの成功を飛び跳ねて喜びます。「喜びの舞」と呼んでいました。

この予約活動はチーム制で競わせていたので、みんな競うようにお客様とコミニケーションを取ります。

こうなってくると、みんなとっても楽しそうです。

家や学校でも、そんな頑張りを目をキラキラさせて話すのでしょう。スタッフの親御さんが協力してくれたり、スタッフの友達が協力してくれたり、どんどん盛り上がって行きます。

当時のパソコンが壊れたので11月11日70万円突破のところまでしか写真が残ってませんでした・・

予約の商品の単価は1000円〜3000円のラインナップです。

この結果、みんなが店舗の目標に一丸となって取り組む組織が出来て、会社の評価基準を両方とも最高ランクでクリアすることになりました。

クリスマスの予約は、17名のスタッフ(ほとんどが高校生)で、100万円を売り上げることが出来ました。  

この取り組みから、なんか「変な奴」がいるぞと、廣野は社内での評価を取り戻して行きます。

店舗は安定しました。ワタシはまたショッピンセンター全体を盛り上げる活動をはじめ、ショッピングセンターの従業員の憩いの場的なお店が出来ました。

全国店長会議の時に店長が見学に来るモデル店舗にもなりました。

2年間の出来事を簡単にまとめましたが、この時の上司はコントロール不能なワタシのことが大っ嫌いで見捨てられたり、いろいろありましたが、

この後、規模の大きい店舗への人事を取り計らってくれたのもその上司でした。

実は人前で喋れなかった廣野

それと、ワタシの成長の記録ですが、ワタシは今ではいろいろな会の司会をやったり、営業をしたりしていますが、26歳当時は、全くの内弁慶

店舗では自分の仕事に信念を持って発言したりするのですが、店長会議とかだと極度に緊張して、まともに話せませんでした。

今は、誰にも信じてもらえませんが、廣野は27歳位まで人前で話すことがとても苦手でした。

この頃の毎月地区店長会議での事例発表で200名程の店長の前で話す機会をいただけたのが、話せる様になるきっかけです。

組織長の能力に大きく影響を受ける組織

100人未満の様な小規模の組織では、組織長のマネジメント力の差で組織は振り回されます。

ワタシは、組織長(店長)の仕事は、方針(戦略)を決めることスタッフを評価をすることと、対外的なコミニケーションを図ることだけになる様に組織を作ります。なので、ワタシの作った店舗を引き継ぐと、とても楽なはずです。

しかし、引き継いだ後、見事に体制が崩れてしまう状況を見てきました。

組織長が抜けても崩れない仕組みを目指して組織を作るのですが、店長引継ぎと共に店舗のレベルが急激に下がっていくのです。

このことから、組織長の存在は組織にとても大きく影響を与えると言えます。

なので、組織の改善をするときは、組織長の育成(意識改革)がとても重要になってきます。

現場での諸悪の根元は往々にして、組織長のマインドなのです。

つづく

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