良い人材を採用する方法7

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チェーン展開する会社において、店舗戦略はあってないようなものです。チェーン店舗では独自に勝手な戦略は作れません。そんな中で、廣野は、商圏変化による外的要因に関係なく成果をあげる店舗作りを実現します。その為に一番大切なことは、目標を曖昧にせず、明確に共有することでした。

前回は店長に復帰して降格・左遷して社内での人権をなくしていた廣野が成功事例を作り、店長会議などで発表させてもらえる様になるまでを綴りました。

今回は、組織がある程度出来上がっている中規模店舗にウルトラC人事で栄転させていただいたところから綴ります。廣野27歳〜28歳の物語です。

前任の七光はいやだ!

廣野は、以後ライバルになる同年齢の優秀な店長から、店舗を引継ぎました。

ここで、いずれ「ワタシは前任のお陰で何もしていないのに成果を出せた」と言われてしまうことだけは絶対に嫌だという気持ちがあり、引継ぎ後すぐに更に店舗を伸ばす為にどうするかを考え、すぐ行動に移しました。

最初に決めたのは方向性です。

店舗ビジョン

スタッフ全員がお客様におもてなしの気持ちを伝えられる店舗

この店長ビジョンは、この後退職するまで、そして、現在飲食店のコンサルをするときも、大切にしている組織の社是(基本方針)です。

一貫性のある組織長であり続け、一貫性を持って店舗の魂(アルバイトに受け継がれるレガシー)を作ろうと考えたら、このビジョンに辿り着きました。

まず、おもてなしを定義付けました。

おもてなしとは

お客様におもてなししましょう!と言ってもその「おもてなし」とは個々によって異なります。それではお店全体としての「おもてなし」が表現できません。

飲食店の運営上で意識しなければいけないQCSTというものがありますが、

以下のQ・C・S・Tを完璧な状態で提供できていることが「おもてなしができている状態」と定義付けます。

Quality(品質)

商品の品質が完璧であること。品温、美しい見た目、均一な味、均一な量

異物混入をしない様、賞味期限をしっかり守ること。

Cleanliness(清潔な状態を保つ)

機器の裏まで清潔な状態・害虫の発生しない環境・清潔な客席・清潔なトイレ

清潔な店舗外観・清潔なスタッフルーム

Service(高いサービスレベル)

親切で丁寧な接客・気が利いた心遣い・整った身嗜み・爽やかな挨拶

Time(スピーディな対応)

商品提供時間・約束した時間を守る・テキパキ働いている様に見えること

以上のどれか一つが抜けても「おもてなし」ができている状態ではありません。

◇完璧な商品を素早く、完璧な接客で提供しても、客席にゴキブリが出現すれば、台無しです。

◇完璧な商品・完璧な清掃状態・完璧なサービスでも、めちゃくちゃ時間がかかってしまったら、台無しです。

◇完璧な清掃状態・完璧なサービス・スピーディな対応ができていても、冷めてしまった商品を提供したり、消味期限切れを提供したら台無しです。

◇完璧な品質・完璧な清掃状態・スピーディな商品提供ができていても、スタッフの対応が悪ければ台無しです。

QCSTを完璧な状態を維持する事など不可能

前述したQCST全てを完璧な状態で提供することを、店舗スタッフは追求します。

しかし、完璧にすることなどできません。ベテランのスタッフでも完璧な状態を維持し続けることはとても難しいです。

しかし、廣野は新人スタッフの頃から完璧な状態を維持することを求めます。

ポイントは1人ではQCST全てを完璧に維持することはできないということを認識することです。

スタッフ全員の協力が必要なのです。

素晴らしいスタッフがいる店程クレームが多い

お客様は素晴らしいスタッフの応対を受けて、お店のファンになることはよくあることです。そのお店に期待してリピーターになってくれます。

しかし、その素晴らしいスタッフがいない時、店舗のサービスが均一でなく大きな波がある場合、お客様は「いつもと違う!!」とクレームに発展するのです。

全員がグダグダやっているお店にお客様は高いレベルを求めたりしません。

利用しなければいいだけです。

高いレベルの接客を提供しようと取り組むことは、クレームを増やすことに直結しているのです。

では、どうしたら良いか?

スタッフ全員が〜伝えられる

全員で伝えることが大切です。

お客様がイライラするのは、素人目に見ても「効率悪いなー」とか、「あいつもっとちゃんとやれよ」って時です。

なので、1人たりとも「手を抜いている」と思わせないことがとても大切です。

お客様が評価するのは「空気感」

お客様はお店の何を評価しているか? それは空気感です。

働いているのは人間ですから、失敗することもあるでしょう。新人だったら手際が悪いこともあるでしょう。対応できる忙しさを超えて、オペレーションが乱れたり、客席の清掃ができないこともあるでしょう。

それは仕方がないのです。

大切なのは、全員がどうにかしてリカバリーしようとする姿を見せることです。

お客様に完璧な状態を提供したいんだ!という気持ちを伝えることです。

具体的には、お待たせしてしまった時の「お待たせしました!」の言い方。

失敗したときの「謝り方」。これがとても重要です。

感情を伝えるトレーニング

「お待たせしました!」「申し訳ございません。」の言い方、表情

店舗全体として伝えることができると、よりお客様に伝えることが出来ます。

レジのスタッフが代表して謝罪するのではなく「スタッフ全員で謝罪」するのです。

ひと手間

何も難しいことではありません。お客様の満足度をあげる為にひと手間加えるだけです。

良く、空気に向かって「ありがとうございました〜」って言う人がいますが、少し顔を出して、お客様に向かって言う(伝える)だけで全然感じが違います。

全員でおもてなしの気持ちを伝えるということは、全員が常に協力して仕事をするということです。

チームビルディング

そして、高めあえるチームを作って行きます。やり方は以下ブログを参照

https://clear-advance.jp/チームビルディング-2037.html

手を抜くスタッフが1人もいない環境

全員が一生懸命やっている職場は、楽しくて仕方がありません。

仲間との私語ではなく、仕事を楽しむ環境を作るのです。

お客様に、全スタッフが全力でどうにかしようとしている姿勢が伝わっていればクレームは発生しません

むしろ、お客様が手伝ってくれる様になります。

仕事を手伝いだすお客様

廣野の運営している店舗では、お客様が客席の清掃をしてくれたり、トレーを拭いてくれたり、ゴミ箱を交換してくれたりし出します。

こんなに頑張っているなら、協力したいと思っていただけるそうです。

この取り組みの副産物

採用活動費が0に

アルバイト募集をする必要がなくなります。

キラキラ仕事をするスタッフを見て、同じ様に仕事をしたい良いスタッフが応募してくる様になります。

しっかり仕事をするスタッフが増えれば増えるほど応募は増えます。

じっくり(オーディション)選んで採用しましょう。

お客様がお客様を連れてくる

店舗で新キャンペーンなどの取り組みをする時にお客様に相談できます。

お客様は、いろいろな形で協力してくれます。

朝から晩まで同じことを言う廣野

これから、ワタシはこの店舗ビジョンのことしか言わなくなります。

このビジョンに全てが凝縮されているからです。

365日、毎日同じことを繰り返し、お客様に応援される店舗に磨きをかけて行きます。

店舗ビジョンをただひたすら履行し続ける作業に加え、前店舗で成果を出したクリスマス商戦の取り組みを合わせて実行しました。

スタッフの共通目標は、「目指せ全国ナンバーワン!

その結果、駅の反対側に大型ショッピングモールができて、近隣店舗の売上が軒並み前年比60%の推移に落ち込んでいる中、廣野の店舗は前年比150%

会社の2つ評価制度、W最高基準獲得ミステリーショッパー評価最高基準獲得、そして2008年全国最優秀店舗として表彰されることになります。

降格・左遷されて、社内で人権をなくし、3年目の出来事でした。

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